ヤドカリ放浪記
 先日。友人と電話をしてた時です。友人の彼女は家の近所の路上から携帯電話で話をしていたのですが、突然「ヤドカリ!」と叫ぶではありませんか。
といっても彼女は、海の家に住んでいるわけではありません。東京の住宅街の真ん中です。そのアスファルトで舗装された道路の排水路あたりを1匹のヤドカリがゴソゴソと歩いていたそうです。
 そのまま、そのヤドカリは住宅街の夜道に消えていったのですが、それで終わりではありませんでした。そのまま1時間近く話し込んでいたのですが、ふたたび「あ!」という声がしました。また、そのヤドカリが同じ場所で、同じ方向に歩いているのに気がついたそうです。
 同じヤドカリがその区画を一周してきたのか、はたまた別のヤドカリが同じ方向を目指していたのか、理由はわかりませんが、どっちにしても東京ではなかなか珍しい光景です。
 どこだったかの南の島では、繁殖期になったヤドカリが島を横断して、町中がヤドカリだらけになっているテレビのドキュメンタリーを思い出したけど、実は東京のどこかにヤドカリたちの逢瀬の場があったりしたら、なかなかロマンチックで面白いのですが。
 ちなみに、その2匹目のヤドカリは、アパートから出てきたオバサンが持って帰ってしまったそうです。 (以下略)
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